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平成25年第3回漢検
平成25年度も、年3回行われる漢検1級をすべて受けてきました。



こんにちは。漢検が確実に年3回の楽しみになりつつあるぶろです。



今回の検定で、そろそろ本腰をいれなくちゃなと実感しました。
今まで手を抜いてきたわけではないですけれども、必要最低限の知識を押さえるだけの勉強法しかしていなかったからです。
もっと貪欲に、いろんなことを知っておくべきです。



さて、今回の自己採点結果と出題内容に関して。


前回に引き続き、採点は~ブレイズム漢字講座ブログ~を参考にさせていただきました! ありがとうございます。



「頻出」 → 今まで何度も出題されている(と感じる)もの。
「過去問」 → 過去に難問として出題されたもの。出題された回数は2回以上だけれども頻出とまではいえない。
「初出」 → おそらくはじめて出題されたであろう難問。この初出がまた出題されたら、以降は過去問扱い。 




 (一)、読み: 26/30 頻出、過去問、初出のどれもが多い印象。過去問をしっかり押さえている人からすると標準程度に感じる問題かもしれません。全体的にやや難程度でしょう。特に訓読みは知らない初出ばかりでした。



 (二)、書き: 24/30 難しかったです。これも過去問や頻出が多い印象。1級配当外の常用漢字や準1級配当の漢字を書かせる内容が多く見受けられました。それに関してはあとでまとめます。

 

 (三)、国字: 10/10 単位の漢字1問を含む標準的な問題でした。苆苆苆…をしていませんでしたけど苆が出題されました。検定前に、いわないさざえそえそえそ…してました。



 (四)、語選択書き取り: 10/10 この項目で初出3問、過去問2問。読みや四字熟語でよく見るもの、書き取りでも出題されるものなので、やや易でしょう。余った語群はいつもどおりだましてくるもの。今回ここで大きく失点した方は、だまされたのではなく純粋にわからなかったからでしょう。



 (五)、四字熟語: 30/30 びっくりするくらい難しかったです。おそらく初出5問、そのうち1問は漢検四字熟語辞典の見出しにない語でした。過去問と頻出のみを押さえていた方は20点を下回る可能性があるほどの難度。今回私は漢検四字熟語辞典に掲載されている見出し語をすべて書き取り、さらに1級配当のものはさらに復習をして挑みました。その甲斐あって30点満点。対策しておいて本当によかった。



 (六)、熟字訓・当て字: 7/10 ここ10年分の資料で調べたところ、初出4問です。熟字訓や当て字に特化した方でないと8問以上の正解は厳しそうです。



 (七)、熟語の読み・一字訓読み: 10/10 初出難問が登場しやすいこの項目、今回は平易でした。この項目での初出は2問? ただ音読み訓読みともに、以前出題されていたような。難しい読みもありましたが、それは過去問。



 (八)、対義語・類義語: 12/20 読みと同様、頻出、過去問、初出のバランスがちょうどいい問題。勘違いから大きく失点してしまいました。それがなければ16点取れたかな。以前出題されたものがあり、やや難という程度でしょう。



 (九)、故事・諺: 12/20 初出4問で難問だったでしょう。頻出と過去問を押さえているだけでは12点が精一杯。安定した合格を目指すなら、故事諺をより多く学ぶ必要がありそうです。おそらく今後も、初出が多い傾向になりそうです。



 (十)、文章題: 22/30 やや難程度の文章題。最近の文章題は難しいので、これはいつもより簡単な部類? 読みは普通の問題ばかり(2問落としてしまいましたが)、書き取りはやや難でしょう。常用漢字や準1級配当の字が多い印象で、それらをおろそかにしていた人はあせったはず。準1級の知識も大事ですね。






自己採点で163/200。おそらく合格ですが怪しい。今回つまらないミスが多く、正解のはずの字を書き間違えている可能性があります。
文章題の小過サイキンは~のサイキンを「細謹」と書いてしまったので、そこの2点くれないかな。「細瑾」らしいです。大行は細謹を顧みず、といいますからね。正解に期待!



















より高得点を目指すには? 私が検定前にどのようなことをしてきたのか、簡単にまとめます。
知識だけではなく、点数を高めるためにどのようなことをすればいいのか、もあわせて。



今回受検するにあたって、四字熟語の項目でも述べたとおり、四字熟語を一から学ぶことにしました。
今まで四字熟語は頻出問題と問題集(成美堂本試験型など)に掲載されている熟語を把握している程度でした。近ごろ四字熟語の初出が多く、莫大な出題範囲の書き取りや故事諺にくらべて、だいぶ限られている出題範囲の四字熟語を完璧にしようと思い、ここを重視しました。

四字熟語の項目と重複してしまいますが、私が行ったことをまとめます。


まず四字熟語辞典を見て、知らない四字熟語をすべて2回ずつ書き出しました。
10個程度書き出したら、今書いた四字熟語をどれだけ思い出せるかテストをします。
思い出せるものを書き出したら先ほど書いた四字熟語を眺め、思い出せなかったもので、自分なりに重要だと感じるものを書き出します。
これをワ行まで続けます。ここまでで40時間ほどかかっています。だらだら行っていたりほかの作業も行っていたりなので時間がかかってしまいました。集中すればだいぶ短縮できるはずです。

次に、1級配当の四字熟語で、見たことのない(すっかり忘れてしまった)もの、初出で出題されそうなど何かを感じたもの、それらを上の方法と同様に10個程度書いて、すぐテストを行って…という作業を行います。ただし、人名がまざっている四字熟語を除きます。人名を含む四字熟語は出題されない傾向にあり、過去10年間で人名を含むものは麻姑掻痒のみです。麻姑が人かといわれたらなんとも言えませんが。
これはさきの作業の半分以下の時間で済みました。


問題集をひととおりこなし、何を学ぼうか悩んだら四字熟語を学ぶことが効率的でしょう。平成25年度第2回でもそう書きました。
単に合格を目指すなら、四字熟語をすべて学ぶことに否定的な私でしたが、今回好成績を挙げたのでだいぶ肯定的な考えになりました(それでも合格に必須かと問われれば否定はします)。


四字熟語大事ですね、今回この勉強を行っていなければ不合格確実だったかもしれません。考えが甘かった。
次回はもっと余裕を持って、四字熟語で30点満点が取れるよう訓練しておきます。





ただ、四字熟語を学ぶことに数十時間を費やし、ほかをおろそかにしていたことは問題点でした。

過去に嫌というほど、過去問の読みをすべて書き出し、わかっているはずの音読みを何度も何度も確認してきました。今回は行わなくていいだろうと考えていたので行いませんでした。これがよくなかったです。


読みの知識が大きく変わるわけではないです。読みの感覚を忘れてしまうのです。

漢検1級を受け始めて間もないころは、わかっているはずの読みで勘違いをし誤答してしまうこと、多々ありました。
私自身そうで、慣れるまで誤答をしてしまっていた印象です。
今回は読みの練習をしていなかったからか、わかっているはずの読みを勘違いし、何問も落としてしまいました。これは反省点です。

平成24年度あたりから、知っている問題はすべて答え、知らない問題はきっぱり捨てることができ、単純なミスが減った分点数も合格点以上をキープできていました。
それも解答する感覚、普段用いない漢字を用いることでなじませ、普段用いる常用漢字と同じように答えていたんだなぁと実感しました。

失敗を「ケイキ」に~ のケイキ、すんなり書けますか? 難解な言葉でなくとも、急にきかれて漢字が書けないことってありますよね。
いろいろな漢字に触れることは漢検でミスをなくす秘訣なのかもしれません。


本番前にしっかり過去問の復習をして漢字に触れ、本番でいかに緊張をしないか、知らない言葉をきかれてもあせらないか。こうなるともはや知識ではなく精神論のようになってきますね。強い自信と精神力がないと、すぐ点数を落としてしまいますから。

国字で落としがちだったり、知っているはずなのに一部分だけ思い出せず、漢字が書けないことが多かったりする方は、おそらく精神力を鍛えると点数があがるでしょう。
実力より大きく下回る点数になってしまう方はけっこう多そうです。
ただ精神面の強さをどう鍛えるかはわかりません… 絶対に間違えないと自信を持てるまで練習を繰り返し、本番であわてないよう慣れることが肝要、でしょうか。

















さて、たびたびまとめる漢検1級の傾向と対策について。

今回は漢検1級配当と、そうでないものとの比較です。以前も四字熟語でそんなことをしたような。このときのもまとめて、新しく記事にしたら便利かも。



平成25年度第3回漢検1級は、ものすごく難しい問題が出題されていないものの、全体的に相当高い難度であったと実感しました。その特徴は、漢検1級配当ではない常用漢字や準1級配当の字が多いことです。

当たり前で何度も言いますが、漢検1級って1級配当の漢字しか出てこないわけじゃないんですよ。
例えば二字熟語、どちらの字も漢検1級配当とは限らず、常用漢字+1級配当だったり、準1級配当+1級配当だったりします。
準1級は知ってて当然なのです。だから準1級に受かってない人は準1級を受けてきましょう。
弐寺でたとえると、SP十段に受かってないけどSP皆伝の練習をするようなものです。システム上それはできませんけど、そんなもんと思っておいてください。



閑話休題、今回は常用漢字のみ、もしくは常用漢字+漢検準1級配当の点数が何点分なのかをまとめます。漢検1級配当ではない問題の点数ということですね。
体感で1級配当ではないものが多い! と思っただけなので、ちゃんと数えましたよ。




・平成25年度第1回から第3回までのものを対象とします。

・各項目別に、漢検1級配当ではないものの配点を挙げ、( )内には常用漢字のみでの配点を挙げます。
常用漢字のみの構成で2点分、準1級配当までの構成で1点分なら 3(2) と表記します。

・標準解答が複数あり、どの字を書くかによって配当が変化するものは、より一般的なものを選びます(そのつど註釈をつけます)。

・常用漢字でも、常用外の読みであれば準1級、1級配当の読みと記載されていたら1級とします(常用外の判断については、平成24年3月発行「漢検要覧1/準1級」に準拠します)。

・熟字訓の項目は、1級配当ではない漢字で構成されていても、すべて1級配当とします。

・各項目内容:(一)読み、(二)書き取り、(三)国字、(四)語選択書き取り、(五)四字熟語、(六)熟字訓・当て字、(七)熟語の読み・一字訓読み、(八) 





 ◎ 平成25年度第1回

(一) → 2(0) ※1
(二) → 4(2)
(三) → 0(0)
(四) → 0(0)
(五) → 2(0)
(六) → 0(0)
(七) → 0(0)
(八) → 2(2) ※2
(九) → 6(6)
(十) → 7(2) ※3

計 → 21(12)

※1 欠伸(けんしん)の「欠」は、欠席の欠と別の字で1級配当。
※2 標準解答に登遐・登霞・登仮とあるが、新明解によると「遐」に遠方の意味があり、遠くへ行くという意味とあるので登遐とした(1級配当)。
※3 瓦缶(がふ)の「缶」は、空き缶の缶と別の字で1級配当。




 ◎ 平成25年度第2回

(一) → 0(0)
(二) → 2(0)
(三) → 0(0)
(四) → 0(0)
(五) → 2(2)
(六) → 0(0)
(七) → 0(0)
(八) → 4(4)
(九) → 2(2) ※4
(十) → 3(2)

計 → 13(10)

※4 ごうもうは毫毛・豪毛のどちらも正解ではあるが、標準解答には毫毛という表記しかないので毫毛とする(1級配当)。




 ◎ 平成25年度第3回

(一) → 1(0)
(二) → 8(4) ※5
(三) → 0(0)
(四) → 0(0)
(五) → 2(0)
(六) → 0(0)
(七) → 0(0)
(八) → 2(0)
(九) → 4(4)
(十) → 7(4)

計 → 24(12)

※5 しこりは凝り・痼りのどちらも正解ではあるが、凝り表記を一般的とした(準1級配当)。ちなみに、「しこり」の表記について、新明解では漢字表記なし、広辞苑第二版では「凝」「痼」とあった。





漢検1級配当ではない割合、予想どおり第3回が一番多いですね。ただ飛び抜けて多いというわけではなさそうです。
全体の難易度は第1回が難、第2回が易、第3回が難で、今の結果は第1回が21(12)、第2回が13(10)、第3回が24(12)という
結果でした。漢検1級配当ではない割合が多いと問題も難しい傾向にあるのかもしれません。

この結果からでは判断できないですが、平成24年度に常用漢字が増えた際に常用となった漢字の書き取りが妙に多い気がします。これはあえて組み込んでいるのか、はたまた偶然なのか…



そんなことよりも、以前飯匙倩さんのおっしゃっていた「四字熟語が難しいと全体的に難しい」のほうが信頼できそうですね。







平成24年度以前もこんな感じでデータをまとめて、合格率や四字熟語の難度と比較したいですね。
ただけっこうめんどうな作業なので、だれか続きをお願いします!!



しまりがないですが今回はこの辺で。四字熟語の配当漢字についてはそのうちまとめるかもです。




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